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活用事例

採用にショート動画。会社説明会や社員の声を「切り抜き」で資産にする

「採用にショート動画が効くらしい」と聞いて調べ始めたものの、何から撮ればいいのか分からない。採用担当の方にとって、動画制作は本業の外の仕事だと思います。

この記事の結論:採用向けのショート動画は、ゼロから撮り下ろさなくても始められます。会社説明会・社員座談会・インタビューなど、すでに録画している(またはこれから録画できる)長尺素材を切り抜いてショート化する方が、費用も社内の負担も小さいです。ただし出演者の同意と確認フローだけは、外注の前に社内で決めておく必要があります。

なぜ採用にショート動画なのか

候補者が応募の前に、求人票以外の情報(会社のSNSや社員の発信)を見に行く動きは、採用の現場で広く語られるようになりました。具体的な数字はソースによってまちまちなので断定はしませんが、「求人媒体の中だけで会社を知ってもらう」という前提は崩れつつある、という方向感は多くの採用担当の実感と合うはずです。

ショート動画が採用と相性がいいのは、まだ転職や就職を考えていない層にも届く形式だからです。求人票は「探している人」にしか読まれませんが、ショートは「探していない人」のフィードにも流れます。会社を知ってもらう入口が一つ増える、というのが構造的な価値です。

撮り下ろさなくても、素材はすでにある

採用動画というと、撮影クルーを入れた作り込みの制作物を想像しがちです。でも多くの会社には、すでに素材があります。

手元にありがちな素材 切り出せるショートの例
会社説明会・採用イベントの録画 事業の核心を話した部分、質疑応答の率直なやりとり
社員座談会・対談の録画 入社理由、仕事のリアルな話、社風がにじんだ瞬間
社長・社員インタビュー 価値観が伝わる一言、意外な経歴の話
社内ウェビナー・勉強会 専門性が伝わる解説部分

1時間の説明会があれば、そこからショートは複数本作れます。1回のイベントを1回で消費せず、複数の接点に分解して使い回す。これが「切り抜きで資産にする」という考え方です。撮影済みの録画があれば今日から始められますし、なければ次回の説明会を録画するところからで十分です。

録画を複数の接点に分解する考え方です。 録画を複数の接点に分解する考え方です。

企業の切り抜き活用の全体像は、姉妹記事に書きました。

あわせて読みたい企業のショート動画活用に「切り抜き」という選択肢。セミナー・対談を資産にする

採用向けで効くのは「人が見えた瞬間」

制作する側として言うと、採用向けの切り抜きで効くのは、作り込まれた宣伝より「人が見えた瞬間」です。きれいにまとまった会社紹介より、社員が思わず笑った場面や、質疑で答えに詰まりながら本音を話した場面の方が、候補者にとっては情報量が多い。切り抜きの質は8割が「どこを切るか」で決まる、というのが僕の持論ですが、採用素材では特にそれが出ます。

だから外注するときも、「かっこよく編集してください」より「うちの人柄が出ている場面を探してください」という頼み方の方が、採用向けにはうまくいきやすいと思います。

外注の前に、社内で決めておく3つのこと

  1. トンマナ:会社として出していい表現の範囲。字幕の口調、砕けた編集をどこまで許容するか
  2. 出演者の同意:録画をSNS向けに切り出して公開することへの、出演社員本人の同意。録画時の同意と公開範囲が変わるなら、あらためて確認する
  3. 確認フロー:公開前に誰がチェックするか(人事・広報・法務など)。ここを決めずに外注すると、納品後に社内確認で止まります

発注前に社内で合意しておきたい項目です。 発注前に社内で合意しておきたい項目です。

注意:社員が出演する動画は、退職時の取り扱い(公開を続けるか・削除するか)まで先に決めておくと、後で揉めにくいです。肖像や個人情報の扱いはここでは一般論しか書けないので、個別の判断は社内規程や専門家への確認をおすすめします。

進め方は、通常の切り抜き外注と同じ

特別な準備は要りません。録画データ(または限定公開のURL)・参考にしたいイメージ・希望本数の3つを渡して、試作を見てから判断する流れです。相談から初月までのステップははじめての切り抜き依頼の進め方にまとめています。社内の確認フローが決まっていれば、あとは通常の外注と同じ回し方で進みます。

よくある質問

採用サイトや求人媒体と比べて、優先度はどう考えれば? 置き換えではなく、入口の追加です。ショートで会社を知った候補者が採用サイトで詳細を確かめる、という流れになるので、受け皿になる採用サイトや採用ページが先にあることが前提だと思います。

応募数はどれくらい増えますか? 正直、事前には約束できません。業種・素材の質・投稿本数で変わりますし、効果を数字で保証する言い方はしたくないです。まず手元の録画から試作して、反応を見ながら続けるかを判断するのが現実的だと思います。

社員の顔出しに抵抗がある場合は? 無理に顔を出す必要はないです。スライド中心の説明パートを使ったり、音声とテロップ主体の編集にしたりしても成立します。出演のハードルを下げる編集方針も含めて、外注先に相談してみてください。

まとめ

  • 採用ショートは撮り下ろしより先に、説明会・座談会・インタビューの録画の切り抜きを検討する
  • 1回のイベントを複数本のショートに分解すれば、候補者との接点が構造的に増える
  • 外注前に「トンマナ・出演者の同意・確認フロー」の3つを社内で決めておく
  • 効果の数字は事前に約束できない。小さく試作して判断する

手元の説明会や座談会の録画がショートに向く素材かどうか、お問い合わせから録画のURLや状況を送ってもらえれば、無料サンプル5〜10本の実物で確認できます。社内の稟議用に、まず試作から見たいという相談でも大丈夫です。

因幡匠瞬

因幡匠瞬(しょうま)

株式会社U.ai代表・Clipper Army運営。切り抜き制作を仕組みで回している当事者として、発注する側が損をしないための実務を書いています。

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